時々、アンティーク着物の染み抜きとクリーニングのご依頼があるのですが、やはりアンティーク(どの年代からが真のアンティークか?というような面倒な議論はさておき)というぐらいですから、シミもかなり年季が入っている物が多く、また、さらなる問題として、生地自体が経年劣化を起こしている場合が多いのです。
ですので、アンティーク着物の染み抜きとクリーニングを専門店に依頼しても、その難しさから困難という診断をされてしまう場合も非常に多いようです。
これは、そのお店が悪いということではなく、ボクも修正が困難という診断をしてお返ししたことは何度もありますので、ぶっちゃけ、アンティーク着物とはそういう物だと思っていただいた方が良いと思います。
これからアンティーク・リサイクル着物を購入される際は、今あるシミは染み抜き出来ないかもしれないとおうこと前提に品定めをした方が安心ですし、「染み抜きやクリーニングが出来れば儲けもの」ぐらいにお考えいただいた方が良いと思います。
これは以前に染み抜きクリーニングをしたアンティーク着物ですが、どこかの他店様で長いことお預かりされた後に修正困難という診断で返却されたそうです。
拝見させていただいたところ、シミもかなり危ない雰囲気(染み抜きで穴が開く可能性)ですし、お世辞にも生地の状態も良いとは言えませんでした。
テストの結果、ある程度シミを薄くして改善するのは可能だとお伝えさせていただきましたところ、それでも良いとのことでしたので、出来るだけシミを目立たなくする方向で染み抜きを行いました。
やはり完全には染み抜き出来ませんでしたが、かなり目立たなくは出来ました。
このように、現状よりも改善する染み抜きという方法もありますので、お気軽にご相談くださいませ。