着物って、意外と?暑いんですよね。
着物自体、袷(あわせ)という裏地のある着物の場合、生地が二重(部分的には三重の所も)になってますし、中に着る長襦袢も、袷なら生地が二重になってますので、下着とかも含めると、何枚重ね着してんだよ、ってくらい重ね着した状態になってます。
これも寒い冬なら暖かくて良いんですが、春や残暑厳しい初秋だったりすると、むしろ暑かったりします。
人は暑いとどうなるか?
そうです、体温調節のために汗をかきます。
汗の成分のほとんどは水分らしいので、乾くと蒸発して消えるのですが、残りのわずか1%ほどに、尿素などの人体から分泌された成分が含まれているそうです。
1%程度なら、残っていてもそれほど問題なさそうなもんですが、このわずか1%の成分が、着物の生地や染色に非常に悪い影響を与えます。
皆さんも、着物じゃなくても、洋服で脇や背中や首周りなどが黄ばんだり変色した経験はお有りではないでしょうか?
それらは全て汗(の他に皮脂なども原因ですが)によるものです。
ですので、着物も、汗をかいて生地が汗で濡れたのに、乾いて見えなくなったからといって、そのまま何もお手入れせずにしまったりすると、時間が経って、黄ばんだり色が抜けてしまったりします。
このように。
特に汗による変色・脱色は酷くなる傾向があるので、大事なお着物がこのようになったら、悲しいですよね。
こうならないようにするには、どうしたら良いのか?
それには、プロによるお手入れが必要になります。
具体的には、汗抜きという作業が必要になります。
汗抜きというのは、汗をかいた箇所を部分的に水洗いをして、汗を洗い流す染み抜きです。
それをしっかりしておけば、着物をしまっている間に汗によって変色するリスクを限りなく小さくすることが出来ます。
汗をかいたら、着物のお手入れのプロに、汗をかいたことを伝えた上で、汗抜きを依頼してください。
それが一番安心出来る汗の対処法です。