今回は、着物についた赤ワインの染み抜き事例を紹介します。着物に限らず、ワインのシミは多くお預かりする事例です。
着物についた赤ワインを染み抜きすると、毎回思い出すエピソードがあります。
以前、とある結婚式場様からのお問い合わせで、「デキャンタに入った赤ワインをお着物のお客様に頭からぶちまけてしまった。何とか直せないか?」というお問い合わせがありました。
実際にお着物を拝見してみると、ワインがかかったなんてレベルではなく、まさに全身に赤ワインを浴びたという状態でした。
他店さん(悉皆屋さん?)に見てもらったところ、「京都で一番の名人に見てもらったが、修復は不可能と言われた」とのことでした。
正直なところ、かなり困難な事例ではあるので、僕もお断りしようかと思ったのですが、続けて依頼者の方が言った言葉に心が動かされました。
「このお着物は、お客様が亡きお父様に買っていただいた思い出の品で、お金の問題ではなく、ただただ着れなくなってしまったことが悲しいのだと言われました。」
「染み抜きの名人が言うには、『たいした着物じゃないから、買いなおした方が早い』とのことです。」
名人、ありがとう。お陰で職人魂に火がつきました(笑)
絶対にこんなやつには負けたくないって思った。必ず再び着られるようにしてみせる!って決意した。
思わず次の瞬間、「何とかしてみます」と言ってしまっていた。
その後、1ヶ月ほどかかって、ほぼ完璧に赤ワインのシミを落とすことに成功しました。
という訳で、それからは僕が京都で一番の名人です(笑)
今回の事例は浴びたほどではないので、手間はかかりましたが、綺麗に落とすことが出来ました