新型コロナウイルスの影響で中止が相次いでいたお茶席も、普段通りとまではいかなくても、今春は各地である程度は行われるようです。
お茶席といえば、着物は欠かせない衣装ですので、着物を着る機会が増えるのは、着物業界の端くれとしては素直に嬉しいことです。
そんなお茶席では、お茶というぐらいですから、抹茶を点てたものを上品な作法でいただくわけですが、何かの拍子に抹茶や点てるためのお湯の飛沫が着物に飛んだり、時には抹茶の入った茶碗をひっくり返してしまったりと、お茶席でシミが付くことはよくあるようです。
抹茶のシミって、お茶のシミではあるんですが、お茶っ葉を急須などに入れてお湯で煮出す(で合ってるのかな?)普通のお茶と違って、茶葉を粉にしてそれを溶いているので、液体だけじゃなく固形物である茶葉の粉末も付くシミなんですね。
同じお茶でも、煎じたお茶類は液体だけですので、水分が乾けば残った色素を染み抜きすれば良い(それも簡単ではありませんが)のですが、抹茶のシミの場合は、先に述べたように、お茶の葉を粉状にすり潰した物を溶いてありますので、水分が乾けば、お茶の色素だけではなく粉末状のお茶の葉が物質として残ります。
ですので、抹茶のシミの場合、その固形物を取り除かなくては、シミが落ちた状態になりません。
まずは固形物を完全に取り除く染み抜きを行い、その後に色素を抜く染み抜き処理を行います。
この手順を間違えると、抹茶の固形物のシミが落ちないシミとなり、染み抜きとしては失敗した状態になりますので、くれぐれも慎重に作業を進めなくてはなりません。
しっかりと手順を守って染み抜きしたので、綺麗に落とすことが出来ました。